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要望通りに作ったのに、“なんか違う”と言われる理由|ズレを防ぐディレクションの極意
- ディレクション
更新日
2025.09.04
公開日
2025.09.05
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Contents
はじめに:誰もが経験する「なんか違う」問題
「要望通りに作ったのに、なぜか納得されない」
Web制作に限らず、クリエイティブの現場ではよくある悩みです。
原因は、スキル不足やミスではなく、認識のズレやコミュニケーションのすれ違いにあることがほとんどです。
要望は「言葉」だけでは伝わらない
クライアントは「シンプルにしてほしい」と言った。
でも、あなたが作った「シンプル」は、クライアントにとっては「地味」だった…。
これは、言葉に対するイメージや感覚の違いによって起きるズレです。
▷ 解決のヒント
- 参考デザインを見せてすり合わせる
- 「何をシンプルにしたいのか(色?要素?情報量?)」を深掘るヒアリングが鍵
「要望の裏にある本音」を探る力
本当は「おしゃれにしたい」のではなく、「若年層に刺さるようにしたい」だったりする。
表面上の要望にとらわれると、本質的な目的を見落としがちです。
▷ 解決のヒント
- なぜその要望があるのか?背景・狙い・課題をセットで聞く
- ユーザー視点や競合比較で方向性を再定義する
認識のズレが起きやすいポイントまとめ
以下のような場面でズレが頻発します:
シーン | よくあるズレの例 |
---|---|
トンマナ | 「ポップ」ってどのくらい?「高級感」って何色? |
レイアウト | 見出しのサイズ感や余白の解釈が違う |
CTAの配置 | クライアントは目立たせたいが、ユーザー視点では逆効果なことも |
機能 | 「お問い合わせ簡単にしたい」→ チャット?フォーム?LINE? |
ズレを予防するディレクションの実践ポイント
言葉だけで伝えず、まず“形”で確認してもらう
- ラフ案・ワイヤーフレーム・モックを早めに提示すると、認識の差が一気に可視化されます。
- “言葉の解釈”を一回具体化するのが効果的なステップです。
参考ビジュアルを複数提示する
- 「このデザインは良い」「でもあのイメージは嫌」など、具体的な差分のある複数案があると比較しやすく、共有がスムーズになります。
- イチオシを一つ決めて「なぜそれがベストか」を説明できると◎。
デザイナーを初回打ち合わせから同席させる
- デザイナーが直接クライアントの細かい意図を聞ければ、ニュアンスのズレが小さくなります。
- 打ち合わせ中にリアルタイムで修正や補足ができ、認識合わせが円滑に。
“避けたいイメージ”も明記する
- 「こういう雰囲気じゃないほうがいい」といった否定の参考も、依頼側の理解を助けます。
- 好き嫌いを言語化するだけで共有精度が劇的に上がります。
発生してしまったズレに対処するマインドと手法
「違う」と言われたら、アラートだと思う
- ズレは早めに気づけた幸運なサインとして捉え、仕様や方向性を立ち止まって再調整しましょう。
修正を重ねる中でも目的を忘れない
- クリエイティブの背景にある「目的」=なぜこの表現を使いたいのかがブレないように。
- 不毛な言い合いではなく、「成果につなげる意図」に立ち戻る会話を大切にしましょう。
まとめ|適切なすり合わせで“予防”しよう
「なんか違う」のズレはクリエイティブの本質にかかわる重大な問題です。しかし、以下を意識すれば予防できます:
- ラフ・複数案の可視化:形に落として解像度を合わせる
- 参考・避けたいイメージを言語化:好み・意図・NGの共有
- 者同席で初回から詳細を共有:誤解のリスクを減らす
- ズレが起きたら方向修正の合図として捉える
依頼者も制作者も“同じゴールを目指す仲間”。言葉ではなく「イメージ」のすり合わせを丁寧に行うことで、理想のアウトプットを実現しやすくなります。
おわりに:ズレは完全にはなくならない、でも防げる
コミュニケーションにおけるズレは人間同士である限り避けられないもの。
でも、段階設計・具体化・すり合わせを丁寧に行うことで、精度は格段に上がります。
「なんか違う」をなくすために、ディレクターが果たす役割はとても大きいのです。